１） 在職中に転職活動をするメリットとデメリット

 　在職中に転職活動を始める主なメリットは、「経済的な安心感」と「離職期間（ブランク）を避けられる」という2点です。実際、2023年リクルートの調査では、約68%の転職希望者が在職中に転職活動を行っているという結果が出ており、多くの人が安定性を重視しながらキャリアの選択をしています。

一方で、平日の面接や企業との連絡調整に苦労する人も多く、同調査では「在職中の転職活動は時間的に厳しい」と回答した人が全体の約54%にのぼります。特にフルタイム勤務の方は、面接日程の確保や企業研究の時間不足に悩みやすい傾向があります。

しかしながら、現職を続けることが精神的・体力的にそこまで負担でなければ、在職中の転職活動はリスクを最小限に抑える合理的な選択といえます。ブランクが発生せず、企業にも「計画的にキャリアを考えている人」という印象を与えることができるため、採用面でもプラスに評価される可能性が高いです。

２）退職後に転職活動を始めるメリットとデメリット

 　退職後に転職活動を行う最大のメリットは、心身ともにリフレッシュでき、十分な時間を使って活動に集中できることです。特に現職が多忙だった人や、心身の疲労が蓄積していた人にとっては、一度立ち止まることで自分と向き合う時間を確保できます。

また、退職後に転職活動を始めた人のうち60％以上が「キャリアを見直す良い機会になった」と回答しています。

一方で、収入が途切れることや、離職期間（ブランク）が生まれることは大きなデメリットです。

特にブランクが3か月以上続くと、企業から「働く意欲や計画性」に懸念を持たれる可能性が高まるというデータもあります（doda調査：ブランク3ヶ月以上の転職者の通過率は20～30％低下）。

そのため、退職後に転職活動を行う場合は、事前にある程度の資金計画を立てておくことや、離職中の活動内容（学び直し・資格取得など）をしっかり説明できるようにすることが重要です。